山崎八段 藤井棋聖挑戦前に弾み 今年度6連勝 右四間飛車で王将戦1次予選決勝進出

[ 2024年5月10日 18:38 ]

ALSOK杯第74期王将戦1次予選で齊藤裕也四段(左)に勝利した山崎隆之八段
Photo By スポニチ

 ALSOK杯第74期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)の1次予選準決勝が10日、大阪・関西将棋会館であり、山崎隆之八段(43)が齊藤裕也四段(26)に87手で勝利した。藤井聡太棋聖(21)=王将を含む8冠=に挑む、6月6日開幕の棋聖戦5番勝負出場が決まっている先手山崎は、1次予選決勝で弟弟子の西田拓也五段(32)と対戦。長く王将戦挑戦者決定リーグ入りを目標に掲げるだけに、「まだリーグに入ったことがない。今年も楽しみを残していきたい」と年末までの挑戦者争いへ意欲を見せた。

 振り飛車党の後手齊藤の三間飛車に、右四間飛車で対抗した。31手目、▲4五歩の突き出しから開戦する。

 「練習将棋では指したが、あまり公式戦でもやっている人がいない。よくて互角くらいだろうなと思って指した」

 終局後、右四間飛車について語った山崎だが、齊藤は4月10日、王将戦での山崎の前戦、兄弟子の安用寺孝功七段戦で繰り出していたと指摘。確かに、先手安用寺の三間飛車に山崎は20手目、△6二飛と後手番から右四間に振っていた。

 そこで齊藤は「今回も右四間飛車かなと想定したが、網羅しきれなかった」。相手戦型を右四間飛車とまで絞れても、その変化までは対応しきれない、まさに唯我独尊の山崎ワールド。

 山崎は安用寺戦以降も、棋聖戦挑戦権を獲得した4月22日の佐藤天彦九段戦、5月1日の竜王戦1組ランキング戦の久保利明九段戦と振り飛車党との対戦が続いただけに、練習相手になってもらっていたのが次戦の相手、振り飛車党の西田だったという。

 「手の内はばれている。改めて作戦を練っていきたい」

 加えて、藤井は一切振り飛車を指さない保守本流の居飛車党。「(棋聖戦5番勝負まで)リアルに1カ月を切った。本当に日がなくて焦りを感じる」。相居飛車での準備不足を強調するが、今年度負けなしの6連勝。改めて、その奔放な指し回しから目が離せなくなっている。

続きを表示

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2024年5月10日のニュース